【防衛費捻出】政府がJT株の売却を検討する可能性

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政府が防衛費の捻出を目的にJT株[2914]の売却を検討している可能性があります。自民党内では、政府保有分の時価総額が4兆円を超えるNTT株売却に続き、JT株売却に関する本格的な議論が始まる見通しです。

政府は2021年度末時点で特殊会社29社の株式32.8兆円相当を保有。その中で、政府保有のJT株は時価総額4.7兆円に達し、保有比率は33.35%です。防衛力強化のためには財源の確保が必要であり、政府は防衛関係費の対GDP比を2%に倍増する方針を決定しています。

自民党の萩生田光一政調会長は防衛費増額に必要な財源確保のため、JT株売却について今月にも検討を始める意向を示しました。ただし、JTは国際展開を進める情報通信企業であり、完全民営化には幅広い課題があるとの見解も示されています。

テレビ東京の取材で明らかになった内容は、自民党の茂木幹事長がNTTの完全民営化を検討すべきと述べたことです。NTTグループの持ち株会社であるNTTは、公開している株式の3分の1以上を政府が保有する法律がありますが、自民党はこの法律を見直し、NTT株の売却について本格的な検討に入るとしています。

この背景には防衛費の増額があります。政府は次の5年間で防衛予算を昨年度の1.7倍にあたる約9兆円に引き上げる計画を立てています。政府が保有するNTT株を現在の株価で全て売却すると約5兆円に相当する金額になります。自民党内では、この売却益を防衛費の財源として活用する案が浮上していると報じられています。

政府はNTT株や他の株式の売却計画を進めていますが、JT株の売却についても総務省や自民党内の意見を注視しつつ、慎重な検討を進めたいとしています。過去の売却益は防衛財源として活用されており、JT株の売却益も防衛力強化に役立てる方針です。

なお、政府は他の株式についても売却を検討していますが、政策目的で保有する株の売却は想定していないとのことです。以上のように、政府は防衛財源の確保のため、JT株の売却を真剣に検討していることが分かります。

参考として、政府の保有株の一部をまとめてみます。

株式名保有額(時価)保有比率保有義務
NTT4兆7300億円33.33%3分の1以上
商工組合中央金庫2088億円46.5%なし
日本郵政(JP)1兆3000億円34.33%3分の1超
日本たばこ産業(JT)2兆700億円33.35%3分の1超
2023年8月時点

JT株式は売り判断か

政府が防衛費増税の方針を高めている以上、税府が大株主となっているJT株を保有するリスクは高いといえるでしょう。配当の利回りにつられて株式を購入している方も多いかと思いますが、ロシアでのビジネスも大きなリスクであることは変わりありません。SDGsの観点や社会通念上からも機関投資家の売却も見込まれます。

安倍元首相もJT株の売却を検討していた

2014年に安倍晋三元首相は国会で、JTの完全民営化は「検討に値する」との明確な見解を示しました。それに続く2015年には財務省の審議会も完全民営化を目指すとの基本的な方向性を堅持すべきとの報告書を公表しています。

民営化については、葉たばこ農家の扱いとJTから政府が受け取る多額の配当に関する議論が活発化しています。今年度には1250億円の配当収入が見込まれています。

タバコの値上げは1本3円程度で検討中

2022年12月時点では、防衛費の確保のために、主に加熱式たばこに対するたばこ税を1本換算で約3円ほど段階的に引き上げる案が検討されていることがわかりました。

自民党と公明党の税制調査会の会合で、増税の具体策として、法人税やたばこ税に加えて、復興特別所得税を活用する案が提示されました。

与党関係者によれば、たばこ税に関しては、特に加熱式たばこに対して、1本換算で約3円ほどの引き上げを段階的に行う案が検討されているとのことです。

また、復興特別所得税は現在、所得税額の2.1%が上乗せされて徴収されていますが、そのうち約1%分を防衛費のために振り向ける方向で調整が進んでおり、年間約2000億円の資金確保が見込まれています。

復興特別所得税については、徴収期間を14年延長することで資金を確保する方向性があります。これにより、防衛費のための必要な財源を確保する狙いがあります。

財務省

たばこ農家とJTの関係

JT(日本たばこ産業)と葉たばこ農家の関係が、喫煙率の低下を妨げていると考えられています。JTは主要なたばこ会社であり、たばこ製品(特に喫煙具)の生産と販売に大きく依存しています。

葉たばこ農家は供給チェーンにおいて重要な役割を果たしており、たばこ製品の原料を栽培して提供しています。

これら農家の経済的依存は、複雑な状況を生み出しています。喫煙率の低下と公衆衛生の改善に向けた取り組みが進められている一方で、農村経済のかなりの部分が葉たばこ栽培に依存しています。

そのため、たばこ消費の急激な低下は葉たばこ農家の生計や彼らが所属する地域社会に悪影響を及ぼす可能性があります。

政府は公衆衛生の優先事項と農村経済の社会経済的懸念とのバランスを取る難しいジレンマに直面しています。喫煙率の低下を促進することは、健康的な生活様式を推進し、たばこ関連疾患の負担を軽減するために重要です。ただし、たばこ消費を急激に減らす措置は葉たばこ農家の生計を危うくし、農村地域での経済的な困難を招く可能性があります。

この問題に対処するためには、政策立案者は公衆衛生の優先事項と葉たばこ農家の社会経済的な懸念との微妙なバランスを見つける必要があります。

農業の多様化や代替作物のサポートを促進することが、葉たばこ栽培からの転換を円滑に進めるのに役立つでしょう。

さらに、農家向けの教育やトレーニングプログラムへの投資は、他の産業で応用可能なスキルを身につけることができるようになります。このアプローチは、農家が新しい機会を探求し、進化する市場の要求と公衆衛生目標に沿った持続可能な慣行を受け入れることを目指しています。

最終的に、喫煙率の低下と葉たばこ農家への影響に対処するには、政府と民間セクターの関係者が連携して包括的かつ良く調整された取り組みが必要です。協力することで、より健康的な社会へのスムーズな移行を実現しつつ、たばこ栽培に関わる人々の生計をサポートすることができるでしょう。

財務省

受動喫煙の撲滅を推進する国会議員も

一方で、受動喫煙に対して厳しいスタンスで、法律を改正しようと働きかけている議員の方もいらったいます、元神奈川県知事で現在、日本維新の会に所属する松沢成文氏です。

日本維新ホームページより

2018年時点ではありますが、松沢氏が、公約にあげていた『日本たばこ産業株式会社の完全民営化等に関する法律案(JT完全民営化法案)』を、希望の党と日本維新の会で参議院へ共同提出しています。

JTは〝政府の会社〟

として、厳しくJTを批判してきました。

下記、松沢氏の主張を引用します。

JTは、表向きは〝民営の株式会社〟ではありますが、普通の民間企業ではなく、財務省が筆頭株主(3分の1の株式を保有)の〝政府の特殊会社〟です。ですので、受動喫煙防止をはじめとするタバコ規制は進まないし、「たばこ税」の増税も大胆にできません。財務省・JT・タバコ農家・タバコ販売店、そして、タバコ族議員がタバコ利権を形成し、日本の健康政策を蝕(むしば)んでいるのです。

タバコ利権撲滅への新法案

 私たちが提出した法案は、その元凶となっている「JT法」=「日本たばこ産業株式会社法」を廃止して、国家保有株を全て民間に売却し、「たばこ事業法」そのものも大幅に改正して、タバコ利権をぶち壊すという大胆なものです。

受動喫煙の撲滅を妨害する「JT法」「たばこ事業法」…大幅改正の法案を国会へ提出 | 松沢しげふみ公式サイト|参議院議員・前神奈川県知事 (matsuzawa.com)

政治がタバコ業界に対して厳しいスタンスを取ることは難しいですが、こういった活動がないと、いつまで経っても日本から受動喫煙はなくなりません。

受動喫煙の撲滅を妨害する「JT法」「たばこ事業法」…大幅改正の法案を国会へ提出 | 松沢しげふみ公式サイト|参議院議員・前神奈川県知事 (matsuzawa.com)

維新・松沢成文氏 JTロシア撤退を政府に要求 | カナロコ by 神奈川新聞 (nordot.app)

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